サスティナブル素材Sustainable ITEM

サマルカンダリア®コットン

SAMARQANDARYO®(サマルカンダリア®)は、古代サンスクリット語で “ひとびとが出会う”を表す「S am a r(サマル)」、“街 ”を意味する「Q and(カンド)」、そして“高貴な”を意味する「A r yo(アーリア)」を組み合わせたブランド名です。マークの「青」はモスクに象徴される「サマルカンド・ブルー」が由来となっています。

世界で最もやさしい。

そんなコットンを、目指そう。

サマルカンダリア

あ お の や く そ く

紺碧の約束

私たちのコアバリューは、お客様・販売店・製造者・

原料生産者という綿産業に関わるすべての人々を豊かにすることを目指しています。

そのため、ウズベキスタン政府と連携しながら、サマルカンドを彩る澄み渡る紺碧のように、透明性ある供給ネットワークを構築するなど産業全体のさらなる発展に向けた仕組みづくりに日々情熱を注ぎます。

 

古くはシルクロードの往来を支える要衝として栄え、今なおウズベキスタン〜中央アジアを牽引する街として世界中から多くの人々が集う「サマルカンド」。

紺碧のタイルで覆われた歴史的建造物が聳え立つ様から「青の都」とも形容され、幾百の時を超えて今なお息を呑むような”その青さ”は来訪した者たちの目を心を驚掴みにするがの如く、強く魅了し続けています。

地理的な距離感もあって現代の我々日本人にとっては馴染みのない街ではあるものの、この地で収穫される毛足の長い柔らかな綿花は、古きシルクロード全盛期から高価な衣料品としてヨーロッパ〜アジアを席巻していた歴史的背景もあり、繊維商社を生業とする私たちが“この地“と巡り合うことになるのは、振り返るとごく自然の流れであったのかもしれません。

 

ウズベキスタンの良質な乾きによって育まれた広大な土地と大地

ステップ気候から地中海性気候へと移り変わる温暖な気候、そして、照りつける太陽によって育まれた空と大地。

良質な綿花の背景には必ず「良質な乾き」があります(十分な乾きがないとワタが育ったとしても湿気や寒さが邪魔をしてコットンボールが適度にはじけません)。

果てしなき砂漠が広がるシルクロード、そのど真ん中に位置するウズベキスタンの気候風土はまさに綿花にとって「最良の環境」だといっても過言ではありません。

それは宝石が如く。

白く美しい輝きに満ちた、

最上級の綿花

古えより讃えられし蒼き街・ウズベキスタン サマルカンドで出会った

宝石のように白く美しい輝きに満ちた綿花たち。

「この最上級の綿花を使ったコットンを世界中に届けたい」

そうした強い思い・願いを糧に私たちは日々研究を重ね、ウズベキスタンで厳選された工場で綿糸生産を行い、サマルカンダリア®というブランドを創りあげました。

 

選び抜かれた綿花だから成し得る

至極の風合い

サマルカンダリアでは、乾きによって頭(あらわ)となった完熟した綿花、その中でも特に毛足が長く柔らかなものをひとつひとつ手摘みするなど、厳しく選ばれた良質なものだけを使用しています。

そして、そうして選び抜かれた綿花だから成し得る 「至極の風合い」 こそ、サマルカンダリア®の特徴であり、私たちがお届けしたい大切なバリューのひとつとなります。

 

歴史的背景

ウズベキスタンコットン - 闇から光へ -

私たちが注力・注視するポイントは品質の追求だけには留まらず、

それは、コットン産業を取り巻く環境問題について説明しなければなりません。

コットンに対して「自然由来だから地球に優しい」と考えられることは多いですが、ひとえにコットンと言えども、その種類や用途は多岐に渡り、故にそれだけ多く大量に生産されているわけなのです。

それら大量生産に伴う代償として、生産地域では 「児童を含む強制労働」 や 「農薬による土要汚染」 といった大きな間が蔓延っているということも決して忘れてはなりません。

残念ながらウズベキスタンも綿花の一大産地として過去に大きな間を抱えていたことから、ついこの間まで不買活動の対象としてブラックリストに登録されていました。

不買運動が始まって直ぐさまウズベキスタン政府は「改革ロードマップ」をスタート。

我々はサプライヤーとして、多くの企業が去るなかこの地に留まり、政府と連携しながら環境改善の支援に努めました。

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そして、2022年3月。

ついに、不買運動の発起人であった国際人権団体コットンキャンペーンによって、「産業を取り巻く状況の改善が成されたこと」が世界に向けて宣言され、ウズベキスタンでの児童労働問題は終結しました。

それに伴い大手メーカーも挙って不買運動の停止を次々に表明しています。

そう、10年を超える歳月を経て、ウズベキスタン・コットンは今再び陽の光を浴びることができるようになったのです。

それは -

これからのコットンを象る上で

ベンチマークとなる大きな第一歩。

世界を見渡せば未だ「コットンが落とす影」は根深く、もちろん、我々が描くウズベキスタン・コットン物語としても序章が終わったに過ぎず、言わずもがな同じ過ちを繰り返すようなことはあってはなりません。

そこで、私たち増井株式会社はウズベク最大の繊維公社との間において「買い手と売り手双方の了解事項を記載したMOU」を締結し、セールスパートナーとしてこれまでにも増して連携することを誓い合いました。

日本の産地とより深く結びつきながら、品質はもとより地域を取り巻く自然環境・労働環境にもきちんと配慮するなど 「本当のやさしさ」 を追求することこそが繊維商社である我々にとって今後の命題になると考えます。

だからこそ、私たちはサマルカンダリアブランドを旗頭に、ウズベキスタン政府とのパートナーシップをさらに進化・深化させながら 「世界で最も優しいコットン」 を目指すことからはじようと考えます。

 

それはコットンの売買において「常に模範である」ということ。

サマルカンドという街を讃える 「紺碧の約束(パートナーシップ)」 を以て、川上から川下まで、ウズベキスタン・コットン産業を支えるすべての人々の暮らし、そして地球環境への負担軽減を念頭に入れながら、

「ウズベキスタン・コットン=世界で最も優しいコットン」

この事実を日本、広くは世界に強く発信していきたいと考えます。

 

 

 

サマルカンダリア®教育支援プロジェクト

増井株式会社では、子供たちへの支援として地域の学校内に日本語教室を設立。

早くから日本語に慣れ親しんでもらうことで国際的な視点を育むとともに、日本国内の留学・就労関連機関と連携しながら卒業生たちの就労先の開拓にも注力しています。

 

 

 

 

     https://www.instagram.com/samarqandaryo/

 

 

朝日新聞デジタル記事

ウズベキスタンコットンの不買運動が終了~国際人権団体コットンキャンペーンが発表~

ウズベキスタン綿における世界的なボイコットが完全に終了したと発表したコットンキャンペーンのベネット・フリーマン氏(写真左)
(中央=ウズベキスタン共和国最高議会上院議長のタンジーラ・カマロヴナ・ナルバーエヴァ氏、右=フサノフ・ノジム同国雇用・労働関係大臣)

2022年3月10日、ウズベキスタン共和国の首都タシケントにおいて、国際人権団体のコットンキャンペーンは、ウズベキスタンコットン(綿花)の不買運動の停止を表明した。同24日に行われた第1回タシケント国際投資フォーラムの開会式で、ミルジヨーエフ大統領は「長年にわたり児童労働や強制労働により、ウズベキスタンはあらゆる『ブラックリスト』に登録されていたが、児童労働、強制労働は完全に排除された」と発表した。

大統領は就任直後から、強制労働に関わる体系的な取り組みを始めた。特に、政府は綿花栽培における強制労働の排除を目指した「改革ロードマップ」を打ち出し、その効果的な実施に取り組んできた。

ウズベキスタン政府は強制労働の利用に対して刑事責任を問い、綿花の生産割当を廃止するなど、強制労働の根絶に向けて歴史的な歩みを進めてきた。そして、国際労働機関(ILO)や世界銀行の助言も受けながら、綿花の収穫に従事する者への賃金を大きく引き上げることによって、自発的に収穫に携わる人も大きく増加した。

実施された改革によって、コットンキャンペーンの中心的パートナーである「ウズベキスタン人権フォーラム」は活動開始以来初めて、2021年の収穫期に強制労働の体系的利用がなかったことを示すことができた。今回、コットンキャンペーンの創設者の一人であり、米国国務省の民主主義人権労働担当の高官であったベネット・フリーマン氏は「ウズベキスタンにおける強制労働は確認されず、綿の不買運動を停止する」と発表した。

フリーマン氏はウズベキスタン訪問の後、ウェブリソースや自身のSNSアカウントで、「ウズベキスタンでの強制労働は排除され、コットンキャンペーンは10年以上続いた同国産綿花の不買運動の終了を発表した」と書いている。また同氏は、「これは21世紀におけるグローバルな強制労働との戦いで、一国が大勝利した結果であり、同国政府が4年以上にわたり実施してきた改革の歴史的成果である」と評価している。

加えて、同氏は「今後も人権や労働の保護を強化し、成長する繊維・縫製産業への投資のために雇用を創出し、責任ある供給を果たしていくための環境づくりを目指した追加的改革を引き続き行っていく必要がある。また、これらの改革はウズベキスタンの綿の不買運動を表明した331の主要ブランド、リテイラーに対して、ウズベキスタンが有する新しい可能性は、これから広がっていくだろう」とも指摘している。

強制労働や人権問題の解決を目指す団体「レスポンシブル・ソーシング・ネットワーク(Responsible Sourcing Network)」のディレクターであり、コットンキャンペーンの創設者の一人であるパトリシア・ジュレヴィッツ氏は、「過去12年間で何百という企業にウズベキスタンの綿を使用しないよう説得してきたが、ついにその綿に関わる責務に終わりを告げる時がやってきたことをうれしく思う。今はウズベキスタンからの綿の調達に関しては各企業が必要なチェックを行い、独自に会社の方針を決めていけばよい」と述べている。

ILOはすでに、2021年の綿花栽培においてウズベキスタンには強制労働、児童労働の例はないと確認していた。同機関のデータによると、同年に綿花の収穫に従事した人のうち99%は自発的に行い、強制労働の事実が認められる地域はなかった。ガイ・ライダーILO前事務局長は、ウズベキスタンには繊維・縫製産業で何百万という正規の雇用を創出し、生産販売市場でより高い地位を占められる可能性があると指摘している。

不買運動の停止は、1,196のウズベキスタンの繊維関連企業が、日本をはじめとする海外への輸出製品の生産増加を図り、新しい雇用を創出し、栽培農家の生活を向上させることにつながると期待される。ウズベキスタン政府の試算によると、不買運動の停止と原料の加工によって、完成品の輸出額を15億ドル増加させることが可能とみられる。

日本におけるウズベキスタンコットンの使用については、2015年から増井株式会社(本社:大阪府大阪市)がウズベキスタンからの輸入を開始している。「サマルカンダリア®」ブランドとして日本向けの品質を確立し、今治タオルや和歌山県高野口産地で多く使用されており、風合いの良さで大きな評価を得ている。コットンキャンペーンによる児童労働・強制労働問題の解消により、今後日本でのウズベキスタンコットンの使用拡大が期待される。

国際的な監視機関は、今回のような歴史的な成果は、ウズベキスタンの市民社会の活動家や国際人権団体の長年にわたる地道な取り組みがもたらしたものであり、強制労働撲滅に対する同国政府の真摯な姿勢によるものであるとしている。また、強制労働の撲滅と綿花栽培の改革に必要な歴史的な取り組みを牽引し、実施してきたミルジヨーエフ大統領の役割も高く評価している。

駐日ウズベキスタン共和国大使館 http://uzbekistan.jp/