サスティナブル素材Sustainable ITEM

サマルカンダリア®STORYSAMARQANDARYO STORY

【私たちが伝えたいもの】サマルカンダリア®

 

■コットン

ひとの身体に触れることの多いコットン。

汗をかいたときに時に顔をふくハンカチ、顔を洗った時にふくフェイスタオル、そして普段から着ることの多いワイシャツやTシャツも、コットンの活躍の場として代表的なものであり、数え上げればきりがありません。

そのコットンは、さかのぼればもともと綿花と呼ばれる白いコットンボールからできたもの。それを紡績機械で紡いで綿糸となり、さらにそれを織ったり編んだりして製品ができあがります。

ふわふわモコモコなコットンにするには繊維長の長い綿花を使うことが多く、綿糸の生産過程では甘撚りにして柔らかさを出したりします。また、シャリ感を出すには綿糸を強く撚って強撚にし、清涼感や透湿感が高い蒸れにくい綿糸になります。

通気性がよく、吸水性・吸湿性に優れ、肌ざわりが良いなめらかな風合い。夏は涼しく冬は暖かい。そんなコットンに魅せられて世界中の綿花を調べた結果、私たちは最終的に中央アジア・ウズベキスタンにたどり着きました。

 

■サマルカンダリア®(増井株式会社 オリジナル・ウズベキスタンコットン) 

当社のコットンの輸入は中国をはじめ、インドネシア・パキスタン・インド・タイ etc…と多岐に渡ります。その中で綿花の種類や紡績方法によって当然安価なものや高級品と言われるものがあり、私たちは様々なコットンを扱ってきました。

ふと、「世界でまだ見ぬ白くて風合いが良いコットンは他にないのかな」という好奇心が沸き起こり、調査を開始。

ウズベキスタンは5月から10月まで殆ど雨が降らない気候と、夏は40℃を超える暑さ、冬はマイナス20℃にも達する寒暖差があり、それに加えて肥沃な大地と照り付ける太陽により良質な綿花が栽培されている…もともとウズベキスタンでシルクの貿易を行っていた当社はそんな話を聞きつけ、ウズベキスタンコットンを試してみることにしました。

ウズベキスタンに何回も出張し、厳選した紡績工場を協議を重ね、やっと輸入手続きを開始。ウズベキスタンは世界でも二国しかない二重内陸国であり船での輸送は難しく、列車での陸送を試みます。タシケントからロシアに入り、ウラジオストクまで運ぶことができるシベリア鉄道を使うことにしました。何とか無事に日本に到着し、和歌山・高野口の産地でタオル関係に使ってもらうと、「非常に風合いが良い!」とすぐに評判になりました。

そこから何度もウズベキスタンに足を運び、日本向け品質の確立を目指し、2015年に当社のオリジナルコットンとして、サマルカンダリア®は産声をあげることができました。

サマルカンダリア®の綿花は、すくすくと成長した完熟綿の状態で収穫するために、約30mmの長い繊維長となり、綿の繊維が太くなりコシも強くなります。また、適切な油分を保有することでシルクのような白い輝きを放ちます。

特にタオルに使用された場合は、ふわふわで柔らかい風合いがあることと輝く白さに、他の綿花で作られたタオルと少し違うことが分かって頂けることと思います。

 

■ウズベキスタン紡績

ウズベキスタンは世界第6位の綿花生産大国であり、2015年頃から本格的に国をあげて綿糸生産に乗り出し、現在では世界最新の紡績設備が各工場に導入されています。

ウズベキスタンで収穫される綿花は、今まで国がまとめて買い上げ、国の機関を通して各紡績工場に販売していました。しかし、それでは綿花の品質安定しにくく、現在は“クラスター方式”に変更されています。クラスター方式とは、綿糸を生産するための綿花は自社工場で生産する方式のことで、今では多くの紡績工場がこの主流となっています。

*紡績工場では自社で綿花も生産しています

ウズベキスタンでの紡績というと、後進的なイメージを持つ方がおられると思います。しかし、実際は世界最新設備の導入により、世界に先駆けた綿糸生産体制となっています。綿花栽培については、綿花の発育状況の管理や水分保有量をコンピューター管理ですることにより、畑に過剰に水をまくのではなく、適切な散水管理を行うサスティナブルな生産方法を採用しています。

物性・品質管理設備の充実、生産工程の自動化、梱包システムの確立など、サマルカンダリア®は最新技術で生産されています。

 

*サマルカンダリア®の生産工場では最新設備の紡績設備が多く導入されています